今回は2025年3月にエアインディア AI2107便のビジネスクラスに、インドのムンバイのチャトラパティ・シバージー・マハラージ国際空港(BOM)からシンガポールチャンギ国際空港(SIN)の区間で搭乗した際の様子をお伝えします。
インド独自の空港ルール

インド国内の空港はほかの多くの空港でみられるルールとは全く異なったルールによって運営されており、インド訪問の経験の乏しい外国人には特に注意が必要であります。インドから国際線でほかの国へと出発する場合、空港に入るにはQRコード付きのeチケットお客様控などの出発を証明する書類の提示が求められ、入場は出発4時間前からのようであります。また乗り継ぎの場合も1度入国する際は同様の扱いとなるため長めの乗り継ぎ利用の際は注意が必要です。

実際に入場する手順としてはまずパスポートなどのIDとeチケット控やオンラインチェックインで入手したモバイル航空券などを提示してゲートを通過した後すべてのカバンに対してX線検査によるチェックを受けます。チェックは厳しめであるため、並んでいなくてもおおよそ10分程度は見積もっていた方がよさそうです。
チェックイン

エアインディアのチェックインは国内線・国際線が隣り合っているようで、国際線はエコノミー・プレエコ・ビジネス・ファーストに分かれています。

案内の限りではスターアライアンスゴールド会員はビジネスおよびファーストのレーンを利用できるようです。チェックインでは忘れていたのかラウンジのインビテーションや案内は無しでした。

なおチェックインカウンターにはチェックイン用のキオスクと無人のセルフバゲージドロップも置かれており、エアインディアでも利用可能のようです。

チェックイン後は入り口からみて右側にビジネスクラス以上専用の保安検査情があるのでそちらへ向かいます。
ラウンジ

ラウンジはスターアライアンスサイトで見た限りAdani Loungeが利用できるようです。Adani LoungeはWestとEastの2つがあり、たまたま近くにあったeastにむかうもエアインディアはだめだとおいかえされてしまいます…

気を取り直してWestに向かってみるとインビテーションがないためか電話での確認などで5分程かかりこれが俗にいう「インドらしさ」かと感じるところです。
ラウンジ内ではフードのビュッフェ台のほか、ビールやワイン・スピリッツを提供するバーカウンターやシャワールームが完備されており、窓が大きく駐機場も見える居心地の良いラウンジでした。
機内へ向かう

本日のゲート、搭乗口67番はラウンジから10分程度歩いたところに位置しています。空港の規模は大きいものの、動く歩道や案内板は整備されているためそこまで距離感は感じませんでした。

こちらが本日のゲート67番です。搭乗券には67としか書いていないものの、実際には67Aと67Bに分かれているようで、同じエアライン同士だとうっかり間違えそうになるところです。


本日の機材はA321neoであり、先日合併したビスタラ航空(VISTARA)で運用されていた機材であります。塗装や内装にとどまらずサービスなどもビスタラ基準で行われているようです。

本日の座席は右側窓席である1Fであります。機内に入りしばらくするとチーフパーサらしき方が挨拶と機内食メニューを持って来てくれました。

その後、機内食メニューを確認する際にウェルカムドリンクがサーブされます。ウェルカムドリンクは赤色のビーツのようなジュースと白色のチャイのようなドリンクであり、赤色の方をチョイスします。

その後冷たい布おしぼりもサーブされます。暑いインドでは非常にありがたいサービスであります。
座席周りの様子

座席は2-2の配置ですが、座席同士の間の仕切りがしっかりしており比較的プライバシーのある設計です。座席の上にはあらかじめ枕とビニール袋に入った状態の毛布が用意されています。
頭の後ろに小さな収納があり大きなミネラルウォーターのボトルとヘッドフォンが置かれている他、ユニバーサルポート(コンセント)とUSB-Aが一つずつ付いています。今回のフライトでは故障なのか電源の入れ忘れなのか、電源関係は終始利用できませんでした。

またモニターは20インチほどであり、A321としてはかなり大きく感じるモニターです。インターフェースは良好で、日本語にも対応しています。

リモコンはANAのTHE RoomなどでもおなじみのPSPのようなモニター付きの最新式です。
中に入っている映像の内容としてはインド映画や洋画が中心であり、日本作品はかなり控えめです。
また座席の操作性も良くリクライニング・レッグレスト・腰のふくらみのそれぞれを独立して調整可能であります。オットマンのような足元の台までつながりフルフラットにもなる機能性の高い座席です。
離陸するとうれしいアメニティポーチが!

ムンバイ空港の混雑のためゲートからの動き出しや滑走路前での大気に時間が掛かり、離陸したのは定刻から約40分後のムンバイ時間の午前11時ごろとなりました。

ベルト着用サインが消えるとすぐにアメニティポーチとスリッパが配られました。

アメニティポーチはインドのブランドinaraによるポーチとボディローションとリップバームの他、ビスタラ航空のソックスが入っていました。
シンガポール線は5時間程度の中距離線であり、この距離でアメニティポーチを配る航空会社はなかなか見られず好印象であります。
なお同路線をエアインディア機材での運航便で利用するとTUMI製のパジャマやフェラガモのアメニティポーチなど全く異なるラインナップとなるようです。この機材ではパジャマの用意は特に無いようであります。
機内食

離陸後、1時間ほど、デカン高原上空を飛んでいるあたりで機内食がサーブされます。機内食はサラダがノンベジとベジタリアン食の各1種類ずつ、メインは各2種類の計4種類、デザートが3種類用意されております。

機内食のサーブ前にドリンクをきかれ、手元にはノンアルコールのメニューしかありませんが、リクエストすればビール・ワイン・スピリッツなどのアルコールメニューを持ってきてくれます。まずはビールを選ぶとハイネケンと合わせてナッツがサーブされます。

その後サラダ・メイン・パン・デザートがワントレーでサーブされます。メインのチキンはチキンティッカマサラと呼ばれるイギリス発祥のインド料理です。確かにオーブンで焼いた鶏肉を煮込むという点にイギリスらしさを感じます。味は辛すぎることもなく風味豊かなスパイスを感じられ、日本人にとっても美味しく食べられます。デザートはパキザと呼ばれるインドの伝統的なお菓子です。
機内Wi-Fiに接続しようとするも、、、
ビスタラ航空からやってきた機材では機内Wi-Fiが使用可能のようであり、接続してみます。Wi-Fiに接続すると自動で認証画面が開いてくれるのでそこに名前とPNR(6桁の予約番号)と座席番号を打ち込むだけで無料利用可能のようです。ところが、何度やってもエラーが出て接続できず、念のため大文字小文字や姓名の順番など変えてみたり、他の端末でもトライしたりしましたがダメなようなので今回は利用を諦めました。たまたまなのかもしれませんが、やはりどこか上手くいかないインド系サービスです。
食後のフライト
食後は機内が暗くなるためシートをフルフラットにして仮眠をとることも可能です。まだフライトタイムは4時間以上残っており映画を2本見ることも可能です。日中のフライトで時差も2時間程度先に進むのみなのでここは起きておくことにしました。

起きて作業しているとCAの方から飲み物はどうかときかれたので、コーヒーをリクエストしました。コーヒーカップに描かれているのはエアインディアオリジナルキャラクターのようです。
この後も化粧室を使用した際などに他には何か必要なものはありませんか?と声を掛けてくれ、非常に高いホスピタリティを感じたところです。
シンガポールへ到着

離陸から約5時間後、シンガポール時間の午後7時前にシンガポールに到着します。ムンバイでの離陸待ちやチャンギでの着陸待ちなど出発到着両空港の混雑に巻き込まれたため結局30分ほど遅れての到着となりました。

ゲートは端っこのF37であり、入国ゲートまで10分以上かかる距離感でした。
さいごに

今回は通路が一本のナローボディ機としてはそこそこ長い5時間のフライトタイムでシンガポールまで移動しました。同区間にはエアインディアのA321によるダブルデイリーの他、シンガポール航空もダブルデイリーでB787とA380を飛ばしておりなかなかの高需要路線です。シンガポール航空のビジネスクラスの快適性は非常に高く旧型機メインのエアインディアは長らく見劣りするシートでしたが、今回の元ビスタラ航空のシートは高い居住性であり深夜便での利用も検討したくなるほどの居心地でした。
あとは今回使用に難があったラウンジや機内Wi-Fiなどの設備が安定して使えるようになれば、よりよい体験になると感じられるフライトでした。
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