今回は東京成田 (TYO/NRT)→マレーシア KLIAクアラルンプール国際空港 (KUL)のNH815便を2023年12月末日(2023年末)の混雑ハイシーズンに利用したのでその際の搭乗記をレビューいたします。
チェックイン・アップグレード成功
今回は成田空港利用のため皆さん大好きなZカウンターでチェックインです。年の瀬の混雑しがちなタイミングではありますが、ANA便がほぼないお昼12時あたりにチェックインしたためZカウンター内は貸し切りとなっています。
今回は某国発券のFull Flex運賃でブッキングクラスはBクラスであったためビジネスクラスへのアップグレード対象運賃でした。しかしながら、年末のためかかなり乗客が多く、空席待ち申請をしていたものの前日まで全く音沙汰なしの状態でした。
予約検索画面ではビジネスクラスに空席自体は少し残っていたためドキドキしながらカウンターに行ってみると、予約状況からアップグレード空席待ちをかけていることに気付きすぐにオペレーションセンターに確認してOKをいただきました。

搭乗口へ
本日の出発は第4サテライトの46番搭乗口からの出発ですがコロナ以降第4サテライトのANA Lounge &ANA Suite Loungeは閉鎖中(看板が外されており、GSさんの話だとほぼ廃止とのこと…)なので第5サテライトのラウンジでのんびりしてから未来感ある長い地下通路を通って10分弱で移動します。

搭乗口につくとちょうどGroup1の搭乗が始まっていたので今日は一番乗りで乗り込みます。787-9の長い胴体のL2ドア手前あたりまで行くと本日の座席8Kに到着です。


中距離路線なので座席には寝具等が置いてありますがアメニティやポーチはアリません。アメニティは後程CAさんがかごにいれて巡回しながら配っていました。
ヘッドホンは国内線Pクラスと同じかなりちゃっちいヘッドホンを積んであります。ノイキャンも非搭載で遮音性もイマイチなので映画を楽しみたい方は自前のイヤホン等の持参を忘れないようにしたいところです。

座席でくつろいでいるとなぜかこのためだけに搭載されている銘柄のスパークリングワインかオレンジジュースが配られ、同時に担当パーサーからの挨拶も行われます。

このあと搭乗客全員がそろいドアが閉まるまではGrope1の搭乗開始からおよそ30分ほどかかるため棚に上げず下に置く荷物の整理や入国関係の書類(今回はMDAC)の記入・確認をして待ちます
東南アジア以遠のANA便では貸し出しではあるものの先着順でパジャマ・カーディガンが用意されています。積載数にそれほど余裕がないためか機内での案内はありませんでしたが、KUL路線はフライトタイムで7時間ほどあるため利用すると快適に過ごせます。大抵の場合、前方のL1ドアは早々に閉められてビジネスクラス区画を移動する人は少なくなるため、このタイミングで着替えるのも良しです。
いよいよ離陸、、、のはずが
ほぼ定刻の17:30ごろ機体がいよいよ動き出します。そして滑走路までタキシングをはじめたのはいいものの、さすが年末の夕方とだけあって出発機がとんでもない列を成しています。おおよそ10機ほどの離陸を先に見送った後、ようやく順番が回ってきます。
日系のエアラインは離陸時に大型電子機器の使用制限や靴を履いておくようにといった制限がないので、こういった混雑時に暇つぶしのオプションが多いのはある意味メリットともいえます。

ANAケータリング特製のハイクオリティな機内食
日本発のビジネスクラスなので、いつもならばプレオーダーをしているのですが今回は当日アップグレードのため機内での和洋2湯類の中から選択します。洋食はこの少し前に搭乗したJFK便のメニューにかなり似ており、またラウンジで食べ過ぎた感もあったため今回は和食をチョイスします。
搭乗率が高めなこともあってかアミューズとファーストドリンクはカートで配膳されます。アミューズは和洋共通であり効率的に配られます。一杯目はシャンパンを頂きます。今日の銘柄はいつものカステルノーではなく”シャンパーニュ・ドラピエ プルミエ・クリュ・ブリュット”が搭載されています。アミューズはANAオリジナルスナックと”パストラミチキン オリーブとチーズ”です。ラウンジでしこたま食べておいてアミューズも何もないような気もしますが大人しくたべておきます。

ここからおよそ30分ほど待つと前菜と小鉢二皿が合わせてサーブされます。
前菜は”榎木の佃煮 山椒風味”、”酒粕柿チーズ寄せ”、”蟹寿司”、”ブロッコリー カシューナッツ味噌掛け”の4種構成です。羽田発の国内線プレミアムクラスの機内食ででてきそうな一口料理です。
小鉢は”鰤とアボカドの山掛け”、”帆立 蕪 湯葉の柚子味噌掛け”の2皿です。
どれも味覚が弱くなる機内環境を配慮しつつも濃すぎない上品な味付けであり、さすが日本エアラインというところです。




さらに30分ほど待つとようやく主菜と御飯、みそ汁がやってきます。”黒毛和牛ビリ辛すき煮 銀ガレイ粕漬け”が今日の主菜です。こちらは前菜とは対照的にしっかりとした味付けで赤ワインや日本酒が進む味です。白御飯も日本発便は変なにおいやパサつくことはなく粒がたち甘みのある美味しい御飯です。

食後には温かいコーヒー、紅茶に合わせてフルーツ、チーズ、ショコラブランアブリコ(ムース)をお勧めいただきました。かなり満腹だったためフルーツのみいただきます。
座席をフラットにして残りの時間を愉しむ
深夜便でなくとも東南アジア便にはマットレスが座席に用意されているため有難く使わせてもらいます。座席をフルフラットに倒してマットレスを引けば快適な睡眠環境の出来上がりです。THE Roomのような横幅こそありませんが、寝るのに十分なスペースではあります。エコノミーを含めて機内全体の照明も落としてくれるためANAとしても夕方発の東南アジア便は仮眠してもらう設計なのかもそれません。
別に時差があるわけではなく到着は0時前なのでよく朝早くから動くわけでなければ、背中に枕を挟みソファー風に足を延ばしてくつろぐのも一手です。ANA国際線は映画やビデオのラインアップも邦画洋画ともに豊富なので軽食やワインをつまみながらの映画鑑賞もなかなか楽しそうなところです。


7時間の飛行を終えKLIAに着陸
着陸の1時間前を過ぎたあたりから機内は片付けや着陸準備に取り掛かります。クアラルンプール到着便は政府からの要請で殺虫剤?が散布されますので、気になる方は口を覆うおしぼりをもらっておくと安心です。

そして現地時間の0時頃にNH815便は着陸します。ちなみに先日より必須となったMDAC(デジタル到着カード)の記入欄には到着日があり何日にするか迷うところですが、どちらにしていても問題なく入国はできているようであります。
サテライトC24ゲートに到着しそこからトレインに乗ってコンタクトピア(メインターミナル側)のイミグレへ移動します。しかしながらこの2023年12月現在は電車の長期的な改修工事中で代わりにバスが運行されているためやや時間がかかります。
KLIAの入国レーンはそれほど混雑することはなく二回目からは自動レーンも使えるので非常に快適な出入国であります。スタンプがどうしても欲しい場合などでなければ有人レーンに行くことはあまりありません。KLIAは出発到着のエリアが同じになっているためプライオリティパスをつかってプラザプレミアムラウンジやサマサマホテルラウンジで一休みすることも理論上可能ではあります。

最後に
ANAのクアラルンプール便は、現在はデイリーの成田に加え、行きが深夜便、帰りは午後便22時東京着という首都圏在住者には受けのよさそうな羽田便を週5運航しています。2024年9月からはこの羽田便を週7運航にしてようやくダブルデイリー化するとリリースしてます。近隣のバンコクやシンガポール、ジャカルタはトリプルデイリーであることを踏まえると今後はさらなる増便も期待できます。
MH(マレーシア航空)とは以前コードシェアをしていたものの現在はディスコンしており獲得できる顧客数が減ったように見えます。UAやエアカナダからの乗り継ぎ客に視野を広げれば、まだまだ伸びしろの多い未開拓路線ということなのかもしれません。今後の展開は注視し変わった動向があればこのサイトでも取り扱いところであります。

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